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平素より大変お世話になっております。
PT. Tokyo Consultingの早川です。
3月29日付大統領令2018年第20号が発行され、外国人労働者の就労許可(ビザ)に関する手続に関して、簡素化の方針が正式に発表されました。
今回の大統領令では具体的な実務上のスケジュール・申請書類の変更点は明確にはなっていないものの、
発行より3ヶ月後である2018年6月29日から施行されるとされており、それまでに各担当局での手続方法が決定されると考えられています。
そのため今回は、本大統領令で発表された方針と、それを元に現在のビザ手続からどのように変更されるのかという予測をニュースレターとしてまとめさせていただきます。
<主な注目点①就労許可(IMTA)の廃止、外国人雇用計画書(RPTKA)への一本化>
これまで、ビザ取得の主な流れは、RPTKAの提出後、IMTAが発行され、在外公館での手続の後入国、その後さらに滞在許可(KITAS)を取得するという流れでございました。
本大統領令では、IMTAが廃止され、RPTKAに統一されること、また、KITAS手続は入国後ではなく、入国前の在外公館手続にて済ませられることが明記されています。
RPTKA手続については、これまで約10営業日かかっていたものが、必要書類がそろっていれば2営業日以内の承認を行うと今回定められました。
そのため、これまで合計約2ヶ月係っていたビザ手続が、約1ヶ月弱に短縮されるのではと弊社では予想しています。
さらに、本大統領令の第10条によると、インドネシア法人の株主(親会社)でありかつ、そのインドネシア法人の取締役または監査役の場合は、
RPTKAの取得は不要で、就労許可を直接取得できるようになる方針であることも記載されており、取締役の方のビザはさらに取得手続が簡易化される見込みです。

<主な注目点②緊急時の就労ビザ取得方法>
本大統領令第13条によると、緊急時については、RPTKAの提出が駐在員の就労後2日以内でよいとされ、その申請から1営業日で承認が下りるとされました。
それ以上の詳細については記載がないものの、これが実現すれば、これまで約1~1.5ヶ月かかっていた入国前の手続が大幅に短縮される可能性があります。
<主な注目点③外国人労働者の就労ビザ取得要件 厳格化か>
本大統領令第4条では、外国人はインドネシア人の雇用の妨げになってはならないとあります。これまで、「外国人は特定の役職のビザは取れない」といった明記された規制や、「28歳以上、または5年以上の就業経験がないと1年間の就労ビザが取れない」などのような明記されていない規制が実施されていたことから、インドネシア人の雇用を優先させるという方針が見えていました。本大統領令で改めて明記されたことから、今後さらに厳しくなる可能性が出てきました。
本大統領令では、雇用計画書に「外国人労働者を雇う理由」「組織図の中での外国人の役職」「勤務予定期間」「インドネシア人の補佐役の指名」を含めるよう記載がございました。また、これまでは、6ヶ月未満のビザであれば最終学歴の卒業証明書や資格証明書の提出は求められませんでしたが、今後は求められる可能性も出て参りました。
本大統領令には上記のみの記載でしたが、今後各省庁からの政令や手続方法の案内によっては、さらに厳しく取り締まる可能性もございます。但し、従来どおり、取締役の方々に関してはそのような条件は問われないのではないかというのが弊社の予測でございます。
<主な注目点④滞在許可(KITAS)の有効期限が2年間へ>
これまで外国人労働者は、就労ビザ(IMTA)を取得し入国後、KITASと呼ばれる滞在許可を入手することで、滞在及び複数回の出入国を許可されてきました。
本大統領令第21条によりますと、最初のKITASの有効期限は、これまでは1年間(もしくはそれ未満)でしたが、施行後は2年間有効になり、さらにそこから延長ができるようになるとのことですが、何回延長ができて最大何年滞在できるかは不明です。
これまで、1年間のKITASを所有していた外国人は、通常3回、取締役職であれば4回まで、出国を伴わない延長手続が可能でございました。これまでのKITAS所有者の延長可能回数に変更があるかは不明ですが、弊社では、延長可能回数が残っているKITAS所有者に関してはそのままその回数分延長が可能になるのではと予測しております。
本大統領令だけでは、具体的な手続方法や必要書類は明確になっておらず、また、ビザの更新方法及び要件が変わるのかも不明瞭です。弊社では明確な情報が得られ次第、情報発信させていただきます。
現在のビザ期限が2018年6~8月の方や、同時期に新規のビザを取得予定の方で、施行開始後の混乱を避けたい方は、レバラン休暇(6月中旬)前の申請をご検討ください。
ご参考になれば幸いです。
Thank you for your kind attention,
- Tokyo Consulting
Takashi Motobayashi(motobayashi.takashi@tokyoconsultinggroup.com)
Momoyo Hayakawa(hayakawa.momoyo@tokyoconsultinggroup.com)
Saori Kaname(kaname.saori@tokyoconsultinggroup.com)